営業に配属されたけど、いまいち空回りして結果が出なかったり、アドバイスをもらっても成果につながらないことは多いと思います。
そこで今回は、すぐにご利用いただける「営業で結果が出ない時にチェックするリスト」をご紹介します。
営業をしているけど、結果が出ない時にチェックすることで自分には何が足りていないかがひと目で分かります。
項目ごとに、自分に足りていないものを探ってみてください。
営業で結果を出すための12のチェック項目
営業で結果を出すために心がけたい「チェック項目」をご紹介します。
ぜひ、自分にできていないことはないか、意識から抜けていることがないかのチェックに使って頂き、今後の営業活動に活かしてください。
【チェック項目1】「結果につながらない原因」を探り、PDCAを回す
もし営業活動で成果が出ていないのであれば、その原因を探りましょう。
はっきりと原因と向き合わないまま、第三者や外部から言われるがままのテンプレート的なアドバイスを取り入れてみても根本的な解決にはなりません。
改善点を探り、実際に行動に起こしていくには「PDCAサイクル」を意識することが重要です。
PDCAサイクルを回すには、これまでと同じことを続けてはなりません。
同じことを続けていたのでは「結果が出ないための方法」を繰り返しているのと同義です。
さらに世間一般的に言われているようなセオリーをなぞるのではなく、「現在の自分に必要なこと」を取り入れなければなりません。
例えば、アポイントが得られるもののフィールドセールスの商談でクロージングの機会や成約率が上がらないといった場合、所属課全体で「もっとテレアポを増やそう」といった目標設定をしても何の意味もありません。
この場合、クロージングや商談の方法に何らかの問題があることになるため、その部分を改善しなければならないでしょう。
営業課は自ずと目的意識の高い社員が集められることも多く、それぞれが問題提起を行うことも少なくありません。
そのため、あれもこれもと提示される改善点を全て取り入れたくなってしまいますが、手当たり次第に探してみても混乱を招くだけになってしまいます。
自分に必要なものを見極めることを意識しましょう。
「切り返し方」を身につける
営業で「お断り」を受けてしまうことがボトルネックである場合、ひとつの解決策として「切り返しトーク」を身に着けておきましょう。
顧客がお断りの際に投げかけてくるトークには種類があります。
それは価格、優先順位、キーパーソン、緊急性、商材理解不足などを「お断り」の根源とするものです。
そこで、鉄板の切り返しトークを覚えておき、もう一度チャンスが巡ってくるように取り組んでみてください。
【チェック項目2】「結果の数字」ではなく「取り組む数字」を意識して「上げる」
例えば、KPIとして達成しなければならない数値がある場合、その数値よりも多くのアプローチができているのかどうか立ち返ってみてください。
極端な例ですが、月の商談アポイントが20件必要なのに、テレアポ回数が10件など目標数値以下では物理的に目標達成は不可能です。
取り組んだ数字の全てがそのまま結果に反映されることは絶対にありえません。
そのため、常に目標数を上回る数字だけ自分が行動できたかどうかがカギとなります。
中には、せっかくアプローチしたけど取り付く島もなく断られてしまうこともあり、「自分の行動が無駄だったのではないか」と思ってしまうこともあるでしょう。
そういった場合でも、次に繋げるための教訓が得られるはずです。
このように、自分たちが達成すべき目標に今一度立ち返り、取り組むべき数字を見直してみましょう。
基本的に物事を数字で捉えるよう意識し、もし無茶な目標達成が課せられていると感じたのであれば、目標自体を見直すよう提言できるセールスパーソンになりましょう。
【チェック項目3】第三者から積極的にフィードバックをもらう
営業活動の中では、セールスパーソン自身の頭の中だけで改善点を探して良くしていくことはできません。
このため、常に第三者に意見を求めるようにしましょう。
第三者とは、同僚や上司はもちろん、顧客・クライアントといった自分以外のすべての人を指します。
もし自分の商談時の行動を誰かに見られる機会があったのであれば、その後すぐに自分のセールストークや態度がどうであったか訊いてみましょう。
この際に挙げてもらったことはすべて自分のことであり、しかも客観的な目線によるものなので、まず自分一人で気づくことはできません。
このためフィードバックは、スランプに陥ったときにも有効な手段です。
もちろん、慣れないうちは自分が思った以上にできていないと気付かされたり、ストレートな意見を挙げられたりと心ダメージを受けてしまうことがあるかも知れません。
ただ、忌憚のない意見やストレートな意見とは、そのセールスパーソン自身に何の興味ももたれていないのであれば発せられることはありません。
貴重な意見を貰えたことを感謝し、良い点は今後も活かす伸長案としましょう。
悪い点はPDCAサイクルに組み込むべき課題として、できる範囲で受け止められるようになっていきましょう。
無理のない範囲で、フィードバックの機会を設けることを意識してください。
本項におけるフィードバックの舞台となり得るケースは、以下の通りです。
・同僚などに商談の場へ同行してもらう
・社内でロールプレイングを行う
・オンライン商談で誰かに同席してもらう
・あらゆる商談の場で、まさに今商談したばかりの相手から意見をもらう
ロールプレイングは一人でも取り組めます。
自分の商談を聞いてみて、第三者視点から「本当にこの人(=自分)の提案を受けてみたいと思えるだろうか」と考える機会を持つことは非常に大切です。
また、気軽に社内でのロールプレイングが実現できるような良好な関係を築いておくこともセールスパーソンには必要な条件と言えます。
良好な関係の中では適切なコミュニケーションが実現でき、お互いのフィードバックなどポジティブな相乗効果を生み出します。
【チェック項目4】「トップセールスの手法」をなぞる・教えられるようになる
プロセールス協会では、トップセールスになるためのひとつの方法として「再現性」を提唱しています。
トップセールスの行動規範をトレースし、プロとしてのノウハウを理解することで、トップセールスとしての営業力を兼ね備えたセールスパーソンを創出します。
トップセールスの行動を真似してみる
少しでもトップセールスに近づくために、まずは自分とトップセールスがどう違うのかを自覚するところから始めましょう。
声のトーンや身だしなみといったハード面から、時間の使い方・クライアントとのコミュニケーション頻度や伝達手段のようなソフト面での違いが浮き彫りになるはずです。
自分に足りないものがわかれば、それに近づこうとする努力目標が生まれます。
これを実現するためにはこれをすべきだ、あれは後回しにするか省くべきだ、といった判断ができるようになります。
営業はテレアポのノルマや新規開拓、次の商談……というように非常に多くのタスクを抱えています。
トップセールスのように、限られた1日という時間の使い方を工夫できるようにならなければなりません。
自分が覚えたスキルを他者に教えてみる
自分が再現性を得たということは、再現するためのノウハウを身に着けた状態でもあるといえます。
そのため、どのようなノウハウがセールスパーソンにとって必要なのかが説明できる技術も得たいところ。
アクティブ・ラーニングの考え方では、知識とはインプットしただけで終わるのではなく、人に教えるといったアウトプットの過程を経て初めて自分に備わるともいえるそうです。
セールスの実力が足りていないと思っている他のセールスパーソンに対して、どんなことが必要かと説明する力をつけることは、トップセールスに近づくために必要な条件ともいえるでしょう。
【チェック項目5】コミュニケーションの基本に立ち返る
セールスパーソンとして初心者の域を脱した頃に陥りがちなことが、商談で「一方的なプレゼン」をしてしまうことです。
商談とは、自分だけが話す場ではありません。
それどころか、本来は自社商品の説明すら必要な場でもありません。
それは商談の現場が、顧客の悩みや課題を解決するための場でしかないためです。
トップセールスの中には、「自社商材では顧客の悩みを解決できない」と判断した場合に自社商品の提案を諦め、同業他社や競合の製品を紹介する場合もあるそうです。
この場合、自社の売上には直結しませんが、間違いなく今後につながる好印象をクライアント側に残すことができます。
上記は極端な例かもしれませんが、商談とは本来、この水準で顧客の悩みと真剣に向き合えるかどうかが問われる舞台です。
このため、顧客から「押し売り」とか「売り込み」と思われた時点でその商談での成約はほぼ望み薄となります。
商談とは、自分だけでなく顧客からの質問や意見の表明も活発に行われる「コミュニケーションの場」であることを理解しておきましょう。
【チェック項目6】身だしなみ・挨拶などマナーを見直す
【チェック項目4】のトップセールスの行動をトレースすることにも関連しますが、意外と商談で必要な「身だしなみ」を整えられていないセールスパーソンも多く見受けられます。
「話す側の格好」のような視覚情報や、「はきはきした話し声」といった聴覚情報は、第一印象に大きく関与します。
そして第一印象とは、相手が心の壁を取っ払って話せるかどうかのための「心理的安全基地」を形成することに大きく寄与します。
基本的な身だしなみやマナーが備わっていることを相手に見せられるかどうかも、商談を成功に導けるかどうかに関わってくるのです。
【チェック項目7】ターゲットの見直し
自社商材を売るための相手として適切な条件は「課題意識を持っており、解決のための対価(費用)が用意できる」です。
このため、予算が潤沢でなかったり、こちらが明確に問題であると指摘している項目をさほど気にしていない相手とは、いくら商談を交わしても成約に結びつきません。
そうしている間にも、セールスパーソンが使える時間が削られてしまうだけであるため、早々にターゲットを切り替える判断も必要です。
【チェック項目8】ターゲットへの理解が足りているかを見直す
【チェック項目7】とは逆に、セールスパーソン側に理解が足りておらず、結果的に営業成績に結びつかない相手ばかりを顧客に選んでしまっている場合も考えられます。
そのような場合、セールスパーソン側の市場調査や業界研究、ヒアリング量などが、まだ商談を進めていい段階に達していないのかも知れません。
つまり準備不足の状態です。
ターゲットについての理解が足りていない場合、「そもそも、そのターゲットは本当に適切な相手なのか?」といった問題も浮上します。
「ターゲットとすべき顧客」が理解できているかどうかの基準としては、自社商材が適す顧客の属性や条件について5つほどすらすら言えるようになれば良いでしょう。
顧客への理解度を深めずに臨む商談は、単なる「売り込み」となってしまいセールスパーソン自身の罪悪感も喚起してしまいかねません。
ぜひ理解度を深めるための下準備を入念に行ってみてください。
【チェック項目9】自社商材についての理解を深める
顧客が抱える悩みを本当に解決できるかも知れない、という受注・成約の兆しは自分がいかに自社商材について理解を深めているかによって見えてきます。
このため、【チェック項目8】のように自分が取り扱うモノやサービスについて、1分以内でどんな魅力があるのかがスピーチできるようになれるぐらい、理解を深めておきましょう。
話すことにより、論理的に会話が進められるかの指標も得られます。
【チェック項目10】返事を早くする
基本的に顧客からの質問などには1営業日以内に回答するようにしましょう。
顧客は、ストレス無くやり取りできる相手とビジネスパートナーとなりたいと考えます。
また返事を早くすること、ひいては報連相を重視する習慣は、社内の人間関係にもいい影響をもたらします。
【チェック項目11】トークスクリプトを取り入れる
営業に慣れないうちは、すべての商談でゼロから会話を構築するとなると工数や負担が計り知れないものとなります。
したがって序盤からトークスクリプトをあらかじめ作成しておき、相手によって柔軟に変更、応用するという方法を取りましょう。
【チェック項目12】適切に休暇をとる
セールスパーソンが同時に抱える案件はひとつやふたつで収まらず、新人もベテランも多くの案件を同時進行させることが普通になっています。
人間は、負荷がある状態では力を100%発揮することはできません。
セールスパーソン自身がキャパシティオーバーなどでストレスを抱えてしまっては、案件が上手く進まないどころか、担当者変更などで部署全体に迷惑を掛けるはめになってしまいます。
さらにプライベートなど職場以外でトラブルを抱えている場合、どんなに気にしないようにしても仕事中に思い出してしまい、影響が出てしまうものです。
そこで、セールスパーソン自身のストレスやトラブルを抑えるべく、適切に休息の時間を作ることも大事です。
息抜きしたり、視点を変えることで解決策が見つかることもままあります。特に睡眠時間を7時間確保することは成人にとって免疫を高める効果もあり、持続性を持って職務を進めるために非常に大切です。
根を詰めすぎないように、営業活動に当たってください。
現状を把握し、自分の営業活動に足りないものを見極めて改善していこう!
営業は様々な人を相手にするため、どうしても「これ」という正解がなく、難しいと感じられるものです。
しかしながら、現状を一度受け止め、良いことは伸ばし、悪い部分は改善すると意識していけば、少しずつトップセールスに近づけます。
営業として取り組むことは、社会人としてすべきことを徹底し、自分に足りないと思うことを見極め、貪欲に取り入れて実践することだけです。
ぜひできることからピックアップし、少しでもトップセールスに近づけるよう取り組んでみてください。