営業教育に必要なこと4選!たったこれだけで「営業のプロ」が完成する。

営業に配属された新人にいきなり「明日からこれを売れ」と言ったところで、間違いなく無理です。

しかし、営業の新人を育てるための要点を抑えて教育すれば、少しずつトップセールスに近づけさせることは可能です。

そこで今回は、営業の新人教育に必要な4点を解説します。

さらに新人教育を行う際のポイントについても解説していますので、ぜひ現場で採り入れてみてください。

【監修者】 小沼 勢矢

【監修者】 小沼 勢矢

一般社団法人プロセールス協会 代表理事
株式会社プロ・アライブ 代表取締役
中小企業サポートネットワーク「スモールサン」YOKOHAMAプロデューサー

脳科学の権威である石川大雅に師事し、40年間3万人以上の成功者の脳と向き合い確立して来た「実証的脳科学」を提供するプロ・アライブ社を承継。2代目経営者となり組織開発や人材教育の場数を踏み、8年で3,500人以上のクライアントに指導してきた実績を持つ。コロナ禍で営業に課題を抱えるクライアントが増加したことをきっかけに成約率80%を達成するための脳科学を基にしたセールスメソッドを確立。価値あるサービスを世の中に上手く届けられずに困っている事業者様を支援したいという想いから、一般社団法人プロセールス協会を設立。セミナー・コンサルティング・会員サービスなどの提供を行う。

営業新人の教育に必要なこと4選!

営業新人の教育に必要なのは以下4つです。

  • 商品知識
  • OJT・社内業務
  • 商談同行
  • ロールプレイング

それでは、ひとつひとつについて細かく解説します。

商品・サービスの知識をインプットする

セールスパーソンとして企業の一員となるのであれば、当然自社が取り扱っている商品についての知識がなければ始まりません。

基本的な知識を得るには、座学や現場で学ぶといった方法があります。

商材の使い方を知り、顧客の抱えた課題に対してどのように役立たせるかということは、諸先輩方も未だに学んでいる途中の段階であると言えます。

本ステップで慢心することなく、日々勉強せねばならないという認識を持つことも本段階では必要だと言えるでしょう。

座学で学ぶ(OFF-JT)

まずは最低限の知識を、既存の商品パンフレットなどから学びましょう。

商品パンフレットとは、何も知らない人が読んでもその商品について知ることができるため新人教育にも効果的です。

あるいは実際に商材を手にとってみることも有用です。

アプリのようなソフトウェアを販売している場合であれば、説明をする上で操作が完璧にできるようになっていなければ商談でも相手にされなくなってしまいます。

顧客からしてみれば、これから商材を自分に売ろうとしている相手がまだ入社したての新人だからといって、商材について説明できないことを許す義理はありません。

もちろん、上記のことは実在商品・非実在商品どちらを取り扱う場合でも同じです。

余裕があれば、外部指導者を紹興し完全に職場から離れた場所で行う「Off-JT(Off-The-Job Training)」という形での教育方法も検討してみてください。

対面が難しい時期には、オンライン研修サービスを取り入れる企業も増えています。

現場で学ぶ

商品が「物」であるなら、製造工程を見学することも大切です。

自社が所有する工場などに足を運ぶことができれば、またとない学ぶための機会となります。

その場で現場の話が聞けたり、顧客に説明する上でややこしそうな部分についてのヒアリングも可能です。

これから自分が売る商品がどのように造られたのか、どういった人々がどのような思いを込めているのかは、商品を深く知るために必要なことです。

OJT・社内業務

新人研修の方法として、OJTがあります。

OJTとは?

On The Job Trainingの略。現場で教育する。新人を実務に取り組ませながら、指導を受けさせたり教育を同時に行う。

OJTは、四段階職業指導法を取り入れて実践されます。

四段階職業指導法とは?

Show(見せる)→Tell(伝える、説明する)→Do(実際に取り組ませる)→Check(フィードバックとして、改善点や反省すべき点を伝える)という段階を踏んで教育すること。

例:テレアポのロールプレイング

Show → 熟練社員が離れた場所にいる相手に電話をかけ、商談のアポイントを取る様子を新人に見せる

Tell → どのようなことを伝えるべきか、電話を切られないためのポイントなどを伝える

Do → 実際に新人にテレアポをさせる

Check → 熟練者が新人のテレアポについてフィードバックする

手本や実践を交えたOJTは、うまく行っても行かなくても担当者と新人にとって「社内コミュニケーションの場」としても活用できるため、始めの頃から積極的に取り入れると良いでしょう。

OJTを通して、社内業務である書類作成方法や注文・報告プロセスなどについて学ぶ機会を与えられます。

同時に社内ナレッジ・ノウハウも共有すると効率的です。

座学やOff-JTでインプットした知識を実践してアウトプットする場としてOJTは適しています。

両者の交差的な活用が理想です。

商談同行・同行営業

先輩や上司の商談に同行する商談同行も、広い意味ではOJTの延長と言えます。

ただ商談は実際に契約を取り交わす場であり緊張度が別格であるため、新人にとってはOJTの延長といった気持ちでは取り組めないでしょう。

企業にとっても、同行した新人がマナー違反をしてしまっては今後の信頼に響くため、そう簡単にはOJTとして商談同行は実施しません。

同行に関わる者すべてが、気を引き締めて顧客のもとを訪問しましょう。

実際には簡単にロールプレイングなどを実施し、基本的なマナーを教えた上で臨みます。

商談動向には次の2パターンがあります。

  • 先輩や上司の商談に同行する
  • 新人が商談を進める。ベテランがサポートのために同行する

初めはAで商談の雰囲気や実際の流れを掴み、テレアポなどに関わるにつれて自分が担当する案件が決まり次第、Bへと移行していくといった形が取られます。

Aパターンでは、新人は商談の議事録係として適宜メモをとり、インプットしつつ学んでいくことが想定されます。

自分がメインとなり会話をしなくていいため、アイスブレイクやヒアリングのやり方など先輩社員のいいところを盗んだり、こう来たらこう返す、資料はこのタイミングで提示する、といった定石を学びやすくなります。

中でも、商談の要である「顧客が抱えている悩み・課題は何か、どのようにすれば解決できるか」に焦点を当てて考えさせると良いでしょう。

上記を意識することで、顧客理解度や提案力が高められます。

事前に商談で取り扱う商材についての知識を学んでおき、「自分だったらこうすると思うが、そうしなかったのはなぜか」といった疑問を商談後に担当者に聞いてみましょう。

Bパターンでは商談の肝となる準備段階から新人が担当します。

専門記事でも解説していますが、商談の質を左右するのは市場調査・業界研究などの準備段階です。

ヒアリングシートなどを使ってやり、準備が足りているところや足りていない部分をチェックしてあげると良いでしょう。

ドア・オープナーを新人に

初めの頃は、「ドア・オープナー」と呼ばれる、顧客の購買を促しやすい商材を新人に担当させることも有用です。

ドア・オープナーは、受注に繋がりやすく、新人の営業活動における成功体験の創出に寄与します。

新人は、商材を実際に売るということがどういった工程なのか、今後どのようなスタンスで営業活動と向き合えば良いのかといった視点を獲得できるようになります。

ロールプレイング

ロールプレイングは、商談本番を再現して疑似体験させることができる教育の場です。

営業職に特化した教育方法と言えるかも知れません。

ロールプレイングの実施によって、新人でも「どのように商談を進めればいいのか」を身体で覚えることができるようになります。

何と言っても「何回でも失敗して良い」ことが大きな特徴です。

良い点は褒めて伸ばしてあげられ、成功体験に寄与します。

恥も外聞も捨てて取り組み、周りも客観的な視点からアドバイスしてあげれば、PDCAサイクルが回せるようになり、自分では気づけなかった改善点が得られます。

新人の大きなスキルアップが期待できます。

ロールプレイングで疑似体験できることは以下の項目です。足りていないと思う部分を集中的に補うことも可能です。

  • テレアポ
  • 名刺交換
  • アイスブレイク
  • 商談/オンライン商談
  • キーパーソン(決裁者)との交渉/提案
  • クロージング
  • カスタマーサクセス/アフターフォロー

ロールプレイングはセールスパーソン役、相手役、フィードバック役が確保できる3人で行うのがベストな方法です。

営業職で新人が身につけるべきスキル・習慣

営業部門に配属された新人には、優先して身につけたい以下8つのスキルが存在します。

  • コミュニケーション能力
  • 行動力
  • トラブル対応力
  • ヒアリング能力
  • 課題発見力/ロジカルシンキング
  • クロージング能力
  • タイムマネジメント能力
  • ストレス耐久力

またスキルとは種類が異なりますが、商談同行で触れた「事前準備」は習慣として身につけたい部分です。

商談の前には必ず準備が必要であるという意識付けを行いましょう。

新人教育のポイント

新人を一人前の営業担当として育てるに当たって、気をつけておきたいポイントを紹介します。

1:ばらばらな意見で育てない

OJTや同行では、教育担当がコロコロ変わりがちです。

その際に、指導する側の営業に対する意見が一致しないことがままあり、その度に新人はどちらを遵守するべきかと迷い、成長しづらくなってしまいます。

自社にとっての目標や、独り立ちの定義などを明文化しておき、指導する側で共有するようにしましょう。

2:OJTや同行で「必ず経験させるべきこと」を事前に決めておく

現場で教育するOJTや同行では、必ずしも狙い通りの業務が再現できるとは限りません。

そのため、新人に最低限でも経験させておくべきことを決めておき、現場で体験させられるようにしておきたいところです。

研修内容を明文化し、チェックシートなどで管理するのも手です。

3:成長させるには「褒める」、改善点は3点までを具体的に伝える

教育体験を身体に浸透させるには、叱るよりも褒められたほうが適していると言われています。

褒められることで、脳科学的には金銭的報酬が得られる場合と同等の喜びを感じられるそうです。

営業活動においては、なによりも「上手くできていること」は伸長点として以後も強みとして上達させていくべきです。

また、もし新人が課題を抱えている場合でも、何がいけないのか具体的に伝えてあげましょう。

「気合だ」「根性だ」「場数を踏め」と、直しようがない雰囲気的な物言いをしても、混乱させてしまい成長を阻害してしまうだけです。

人間の前頭葉部分にある、司令塔の役割を持つワーキングメモリは、瞬間的に3つ以内しか同時には覚えられません。

そのため、指摘する場合は「3点以内」かつ「簡潔な言葉」で伝えてあげましょう。

4:KPIは達成可能な目標で設定する

新人の頃は、ストレッチゴールを立てるよりも少しずつ成功体験を重ねて行くことでモチベーション形成に役立ちます。

このため、わかりやすい数値で「これなら自分でも到達できそうだ」というレベルの目標を設定してあげましょう。

達成の目処が立ちそうな目標があることで、目標というゴールに向かってどのようなプロセスを経由すべきか、各プロセスごとに何をすべきかといったことが自分で判断できるようになります。

いずれは、スタートからゴールまでを自分で設計できるようになるでしょう。

簡易な目標であれば、仮につまづいたとしても「果たしてどのプロセスに問題があったのか」というプロセスの細分化による分析がしやすくなり、セルフフィードバックにも役立ちます。

新人教育に必要な4点を効果的に採り入れ、営業の即戦力に育てよう!

営業部門に配属された新人は、もちろん営業職に興味があり自分の実力を試したい人もいれば、そこまでのモチベーションが無いこともあります。

しかしながら自社商材を提供するために必要なスキルのベースとなる部分は、各社ごとにある程度社内ノウハウがあり、再現性が担保できる部分もあります。

課員それぞれの適正を見ながら、伸長点はそのまま伸ばしてやり、改善点は丁寧に直してあげ、今後の糧にしてあげてください。

ぜひ本コラムで紹介した方法で社員教育を施し、自社に適した営業の即戦力育成を実現してください。