オンライン商談でよくあがる4つの課題・トラブルと問題解決方法

社会が対面自粛の環境となった影響で、セールスの現場にもオンライン商談が取り入れられるようになりました。

しかし、オンライン商談は対面商談とは全く勝手が違うため、思わぬトラブルに見舞われてしまうことも少なくありません。

そこで本コラムでは、オンライン商談におけるありがちなトラブルを紹介し、その解決策によってオンライン商談を成功に導くための方法について解説します。

【監修者】 小沼 勢矢

【監修者】 小沼 勢矢

一般社団法人プロセールス協会 代表理事
株式会社プロ・アライブ 代表取締役
中小企業サポートネットワーク「スモールサン」YOKOHAMAプロデューサー

脳科学の権威である石川大雅に師事し、40年間3万人以上の成功者の脳と向き合い確立して来た「実証的脳科学」を提供するプロ・アライブ社を承継。2代目経営者となり組織開発や人材教育の場数を踏み、8年で3,500人以上のクライアントに指導してきた実績を持つ。コロナ禍で営業に課題を抱えるクライアントが増加したことをきっかけに成約率80%を達成するための脳科学を基にしたセールスメソッドを確立。価値あるサービスを世の中に上手く届けられずに困っている事業者様を支援したいという想いから、一般社団法人プロセールス協会を設立。セミナー・コンサルティング・会員サービスなどの提供を行う。

オンライン商談では、4つの課題・トラブルが起こりがち

全くのゼロからオンライン商談に関わる場合、様々なトラブルが起きてしまうものです。

ただ、そのトラブルや課題はある程度予測できます。

そこで以下からは、オンライン商談で起こりがちな課題やトラブル4つについてご紹介します。

【課題1】機器やツールのトラブルがある

オンライン商談を進めるにあたって、起こりがちなトラブルとして機器やツールに関するものが第一に挙げられます。

オンライン商談では機器やツールの使用が前提となるため、それら「必須インフラ」に不具合が生じれば物理的に開催自体に支障をきたします。

また機器やツール自体を使いこなせない使用者自身もトラブルの原因となります。オンライン商談を行う際は、双方が事前に使い方をマスターする必要があるでしょう。

【課題2】コミュニケーションが難しい

オンライン商談は、お互いの顔が見える状態でのセールス活動であるため、電話のような旧来のツールよりは情報量が多いといえます。

しかし、対面商談に比べるとどうしても相手の一挙手一投足から心情を細かく探るといったベテランのセールスパーソンやトップセールスが実践していたことは非常にやりづらくなります。

したがってセールスパーソンが起こしがちな失敗例として、具体さに欠ける質問をしてしまう、ということがあります。

例としては、商品・サービスの説明をしたあとに「ところでこの商材、どう思われますか?」と聞いてしまうこと。

相手も望んでオンライン商談の場に来ているため、悪いとも分かりづらいとも言えず、適当に褒めることしかできません。

お互いにふわふわとした空気になってしまったことを認識するだけになってしまい、成約には結びづらくなります。

【課題3】通信・音声トラブルがある

オンライン商談はインターネット通信を介して行われるため、ツールや機材を揃えれば完璧ということはなく、通信環境に気を配る必要があります。

また、お互いの音声がどのように聞こえるかが事前に試せない場合、ぶっつけ本番で当日を迎えることになります。

いざ商談をはじめてみたら、相手の姿は見えるが音が聞こえない、いつまで経っても画面が映らないといったトラブルが起きてしまう可能性があります。

このため、社内やその他の場所からオンライン商談を行う場合、通信状態がよく、静かで生活音などが入らない環境を準備しておく必要があります。

【課題4】社内の理解・技術が乏しい

オンライン商談についての社内理解が乏しい場合、せっかくの強みが活かせないことになります。

極端な例だと、オンライン商談中にも関わらず参加中の社員に話しかける行為が見られたりということも。

これでは、相手の信用など得ることはまずできません。

いかにオンライン商談が有効的なセールス活動なのか、オンライン商談が行われる場合にどういった協力体制が必要なのかといった社内教育が必要になる場合があります。

オンライン商談課題の解決策4つ

以下からはオンライン商談を行う場合に起きたトラブルや課題を解決するための手段を紹介します。

【解決策1:ツール】誰でもわかりやすい、ユーザーライクなツールを使う、使い方を覚える

オンライン商談は、昨今のセールス活動の場面でほぼ必須な形態となっています。

このため、日頃からオンラインセールス関係に必要なツールを避けてきた社員でも、業務上オンライン商談が必須となるケースに対応できるようにならなければなりません。

オンライン商談向けソフトウェアのようなデジタルツールを初心者が使いこなすためには、機能性にこだわらず簡単に操作できるツールの導入が理想です。

簡単なツールを選択することは、実際にオンライン商談を行う際の相手企業にとってもメリットがあります。

それは相手も同様に、オンライン会議のようなデジタルツールに慣れていない可能性があるためです。

簡単なステップできちんとした商談を開いてくれた企業、という印象を相手に与えることができれば、相手の心理的ハードルが下がり、その後のアポイントも非常に取りやすくなります。

自社内でゼロからツールを使いこなせるようになるノウハウが集積できれば、後に新人教育プログラムのために必要なオンボーディングの基盤が得られたことにもなるでしょう。

ひいてはカスタマーサクセスの部署にも還元できるようになります。

オンライン商談のために利用するツールで困ったのであれば、簡単に操作できるツールかどうかを基準として選んでみてください。

昨今では仕事、プライベートを問わずにZoomを使う人が増えているため、マニュアル本なども出回っていてとっつきやすいツールとして代表的です。

1:オンライン商談に慣れてきたら代替ツールも使ってみよう

ツールの使い方について慣れてきた頃には、オンライン商談を開いた回数も増え、経験が溜まっていることと思います。

そんな場合は、別の企業が提供するオンライン商談ツールを使えるようになっておくことも今後のために有用です。

オンライン商談の経験を重ねる中で、自社が使っているソフトウェアがどうしても利用できない顧客もいたことでしょう。

予想される理由としては、顧客自身に新しいソフトウェアをインストールする権限がなかったり、セキュリティ上の問題が発生、相性が関係してうまく動作しない、など。

その場合は、やはり電話などで商談せざるを得なくなってしまいます。

オンライン商談の強みは、対面商談には劣るものの、お互いの顔を突き合わせられるところにあります。

このため、電話よりも相手の温度感が把握しやすいなど情報量が多いビデオ通話はできるだけ実現したいところです。

そんな時に「代替策」としてあらゆるオンライン商談のためのツールが提案できるようになっていれば、電話での商談になってしまう可能性を限りなく減少させられるでしょう。

2:営業支援ツールも取り入れてみよう

また、各部署との連携を取りつつオンライン商談を進めたい場合、SFAやMAといった営業支援ツールの導入も非常に役立ちます。

ぜひ、営業支援ツールについて解説した「インサイドセールスやり方改善」の記事もご覧ください。

【解決策2:コミュニケーション】質問は具体的に、資料には動画も使う

【オンライン商談で起こりがちな課題2】でも取り上げたように、いざ顧客と話していても具体性に欠けた会話をしてしまうと失敗につながりやすくなってしまいます。

そのため顧客との会話や提案の方法についても知っておきましょう。

1:相手への質問は具体的に行う

オンライン商談で質問する場合には、「具体的な」「相手が返しやすい」内容とすることが必要です。

さらに、オンライン商談の相手が複数名の時には、相手の名前を呼んで会話を始めるといったテクニックもあります。

ツールの問題にも関わりますが、複数名が参加するオンライン会議の場合、お互いの環境によっては音声にノイズが入ることが多々あります。

音声がごちゃごちゃしている中「今、誰と誰が会話をしているのか」を参加者全員に対して明確にするためにも、話し始める際に相手の名前を呼ぶことは非常に大切です。

また「相手にどう反応するか」といった対応策について記載されたトークスクリプトを事前に用意しておき、話すという方法もあります。

トークスクリプトを利用する場合、ロールプレイングを練習に取り入れておくと本番に強くなれます。

また、ロールプレイングは第三者からのフィードバックや携帯電話などの録音機能を利用するため「変な相槌を打って、会話のテンポに悪影響を与えていないか」といった自分の会話の癖がわかります。

そのため、商談に関わる人にとって非常に有利なセールストーク練習方法といえます。

ロールプレイングも含めた、セールストークの練習方法についてはセールストークの記事もご覧ください。

2:相手の理解を深め、集中力を持続させるために映像資料なども取り入れる

またオンライン商談には「感情の伝播が起こりづらい」という特徴があります。

つまり熱量のあるプレゼンを行うような、セールス熟練者のトークが通じづらいということです。

したがって、顧客には具体的な内容で情報を正確に伝えつつ、視覚的に内容を捉えやすい資料でプレゼンを行うことが必要になります。

オンライン商談で利用する会議ツールは、多くの場合画面共有ができます。

この機能を使って、事前に作成した資料を提示してみることも相手の理解を深めるために効果的です。

画面共有では動画の利用も可能です。

オンライン商談ではいくら説明をしても、商材の現物を見せることは叶いません。

また、相手もただこちらの説明を聞き続け、画面を見ているだけで飽きてしまい集中力が続かないことも頻繁に起こります。

このため、平面の資料よりもわかりやすい動画で顧客の印象に残るというやり方も検討してみてください。

3:プレゼン資料を作る場合、字の大きさはパワポ32pt以上とすることに注意!

相手に提示する資料、つまり視覚的に利用する資料を作成する上では大きなポイントがあります。

それは「字の大きさに気をつける」ということです。

具体的にはPowerPoint32pt以上という大きさが目安になります。

その他準備の方法としては「オンライン商談のコツ」の記事もご覧ください。

【解決策3:通信・音声トラブル】回線速度・環境を確保

オンライン商談でZoomのようなデジタル会議ツールを使う場合の通信環境設定や、インフラ以外の環境確保について解説します。

1:オンライン会議をスムーズに使うための回線を確保する

オンライン商談でZoomを使う場合、公式情報として推奨されている環境を目安として合わせると良いでしょう。

例えばZoom公式サイトの発表によると、1対1のビデオ通話の場合では以下のような環境が必要であるとされています。

高品質ビデオでは 600 kbps(上り / 下り)・720p HD ビデオの場合では 1.2 Mbps(上り / 下り)・1080p HD ビデオでは 3.8 Mbps / 3.0 Mbps(上り / 下り)

引用元:Zoom公式HP

こちらは、下に行くほど大きな回線帯域が必要となります。

もし思ったよりも帯域が確保できない場合などは、自社の状況に合わせて、妥協点を決めてみてください。

オンライン商談のために必要な通信環境を満たせているかどうかを知るには、インターネット回線速度の測定ができるサイトの利用が便利です。

例えば、株式会社USEN ICT Solutionsが提供するUSEN GATE 02というサイトでは「測定開始」のボタンを押すだけですぐ測ってもらえます。

2:商談を進めるに相応しい環境を構築する

オンライン商談では必ず環境音が入らない場所を選びましょう。

理由は「相手に胸襟を開いて話してほしい」とこちら側が思っていても「周りに人がいるんじゃないか」と思われてしまってはあまり公にはしたくない社内の情報などを話してもらえる可能性はほぼ見込めなくなるためです。

商談では、相手企業の弱みと直結するような「課題」についてヒアリングすることがほぼ鉄板で必要となります。

きちんと会話の序盤で、この会話は誰にも聞かれてはいないことをアピールした上で商談に入りましょう。

社内や自宅で行うのであれば個室を、個室の確保が無理ならばワーキングスペースを借りることも考えたいです。

近年では、ボックス型で割安な個人用スペースも増えています。

ワーキングスペースを借りる場合、やはり回線速度は事前に把握しておきましょう。

安定した通信のために、できればWi-Fiではなく、有線LANで接続したいところです。

3:相手の接続環境やPC知識を把握しておく

オンライン商談前には、できれば相手のPC環境や接続環境を確認したいです。

これは相手が当日になってから「ソフトの立ち上げ方がわからない」「オンライン会議の部屋への入室方法がわからない」と言い始めてもおかしくないためです。

相手である顧客も、主催側のように会社のどんな場所で参加するか、あるいはワーキングスペースなのか自宅なのかと選択の幅があり、事前にすべてがどのような環境であるか把握した状態であることは期待しづらいものです。

上記のような状況を起こさないために、商談ホスト側ができることは「事前マニュアル」の配布です。

マニュアルにどんなことを記載するべきかは事前にヒアリングした状態で考えることが望ましいです。

相手のトラブルとなりそうなことが予想できる場合、以下の「Zoom商談とは」の記事も参考にマニュアル作成に役立ててください。

【解決策4:社内環境】情報・ノウハウを積極的に共有する

社内におけるオンライン商談についての理解や知見が乏しい場合、オンライン商談の効果性を十分に発揮できなくなってしまう可能性があります。

そこでオンライン商談を社内に普及させるために十分な情報共有を行いましょう。

情報共有には、実際にオンライン商談を疑似体験しながらの研修が有用です。

ビデオ会議ツールを使いながらの研修であれば、必然的にツール自体について詳しくなれます。

他にもメリットとして、オンライン商談についてある程度のスキルを持っている社員のノウハウが共有できる、研修メンバーが遠隔地にいても実施できるという利便性が挙げられます。

ビデオ通話機能を利用したロールプレイングの開催も良いでしょう。

ほか、オンライン商談だとトップセールスが実際に商談をしている環境を近くで見学させてもらうこともでき、新人教育に便利です。

ただ、商談は信頼関係が第一であるため事前に相手への許諾を得ておきましょう。

想定されるトラブルひとつひとつに対し、冷静に対処できる環境を用意してオンライン商談を成功させよう!

近年、セールスの現場でほぼ必須となりつつあるオンライン商談ですが、事前に「想定されるトラブル」を列挙しておけば後はマニュアル通りに対処するだけです。

自社のオンライン商談における問題点とはなにか、を社内でヒアリングしておき、そのどれにも対処できるよう対応策を事前に立てましょう。

ぜひ本コラムを参考にオンライン商談のトラブルを切り抜け、成功に導いてください。