営業担当者がzoom商談をする時に押さえておきたい10個のマナー

Zoom商談はインターネットを介した商談であり、対面の商談とは大きく状況が異なります。

このため、対面で培ったノウハウだけでは対応しきれないこともしばしばあります。

そこで今回は、Zoom商談を開催する上で必要なマナーについて解説します。

商談開催前、本番中、終了時といった場面ごとにおけるマナーについて解説していますので、ぜひその時々で見返しつつ役立ててください。

【監修者】 小沼 勢矢

【監修者】 小沼 勢矢

一般社団法人プロセールス協会 代表理事
中小企業サポートネットワーク「スモールサン」YOKOHAMAプロデューサー

脳科学の権威である石川大雅に師事し、40年間3万人以上の成功者の脳と向き合い確立して来た「実証的脳科学」を提供するプロ・アライブ社を承継。2代目経営者となり組織開発や人材教育の場数を踏み、8年で3,500人以上のクライアントに指導してきた実績を持つ。コロナ禍で営業に課題を抱えるクライアントが増加したことをきっかけに成約率80%を達成するための脳科学を基にしたセールスメソッドを確立。価値あるサービスを世の中に上手く届けられずに困っている事業者様を支援したいという想いから、一般社団法人プロセールス協会を設立。セミナー・コンサルティング・会員サービスなどの提供を行う。

zoom商談前の事前準備のマナー

本章からは、Zoom商談の開催が決まってから本番までに必要な準備について解説します。

事前の時間を有効に使って、商談のクオリティを向上させてください。

【マナー1】有料版アカウントを用意し、表示される名前や背景の設定を確認する

Zoomの無料版アカウントでは、ビデオ通話の上限時間は40分しかないため、有料アカウントを使うようにしましょう。

有料アカウントを持つ側がホストとなり、Zoom商談のミーティングルームを作成することで、制限時間を気にせず商談が開催できます。

また、Zoomでの表示名を社名+担当者名にしておき、顧客から信頼してもらえるようにしておきます。

背景は「シンプル」を心がけましょう。シンプルな背景が確保できない自宅などの場合は、ぼかし機能やバーチャル背景を使います。

名刺交換がわりに、QRコード付きバーチャル背景を使う方法もあります。

本番前にはテストを行い、顔が暗く移りすぎないか、ライトを確保すべきかなどを確かめておきましょう。

【マナー2】商談時間は適切に設定する

Zoom商談を行う際、事前に当日の進行管理をしましょう。

具体的には商談時間のどこからどこまで資料を共有する、いつからいつまでアイスブレイクに使う、などです。

この理由は、顧客の集中力低下を防ぐためです。

例えば資料共有を行う場合、PC画面の注視により顧客が疲れてしまい、商談のクオリティに支障をきたす可能性があります。

このため資料共有には何分だけ使う、顧客を疲れさせたり飽きさせたりしないように適切に画面を切り替えるといった工夫を仕込むため、商談時間の設定を済ませておきましょう。

【マナー3】ミーティングURLや資料を事前に共有する

Zoom商談の事前準備として重要なことは「本番に必要なもので事前に共有できるものはしておく」です。

このため本番のミーティングルームは早くから立てておき、URLが発行された時点で先方にメールでお伝えします。

リンクをクリックするだけでミーティングルームに飛べる旨など、参加方法も添えて記載するのがベターです。

同時に、本番で使う資料やアジェンダ(商談の進行次第が把握できる表)があればPDFファイルや画像ファイルのような状態で添付しておきましょう。

こちらがきちんと準備をしているという誠意ある態度を見せることにも繋がり、本番で顧客に胸襟を開いてもらい、本音を引き出すための心理的安全基地(ラポール)の形成がしやすくなります。

【マナー4】zoom商談日に再度参加方法を記載したメールを送る

【3】で先方にお送りしたメールは、商談当日にもリマインドとして再度送りましょう。

万が一先方がトラブルを抱えていて、当日であることを失念している可能性があるためです。

当日以前に、商談日が近づいてきた時にリマインドメールを送る方法もあります。

こちらでもZoom商談への接続方法などを記載することはもちろん、以前送った資料には目を通してもらえたか、何か不明な点はなかったかを伺うなどすれば、事前ヒアリングの代わりとすることもできます。

【マナー5】きちんとした身だしなみを心がける

Zoom商談だからといって、身だしなみをおろそかにしてしまうことは危険です。

Zoomのビデオ通話画面では、発話者の見た目、特に上半身が視覚情報として参加者の視界の多くを占めます。

特に自宅から商談を行う場合、癖で私服に近い格好となってしまうことがあるため気をつけてください。

見た目をきちんと見せることは、クライアントに安心感をもたせることに寄与します。

【マナー6】5〜10分前には入室する

Zoom商談開催時には、ミーティングルームへ5~10分前には入室しておくようにしましょう。

遅刻の予防はもちろんのこと、この限られた5-10分で商談のための準備ができるからです。

準備したいことは、機材が良好に稼働するかの確認です。

主にマイクやスピーカーが正常に動作するかを確かめましょう。

この工程を経ることで、時間通りに商談が開始できます。

zoom商談中のマナー

Zoom商談の本番中に心がけるべきマナーについて解説します。

オンラインでのビデオ会議では、相手に伝わる情報がリアルとかなり異なるため、様々なことに気を配る必要があります。

【マナー7】自分が話す時以外はマイクをミュートにする

マナーというよりも心がけることに近いですが、Zoom商談中、自分が話す時以外は基本的にマイクをミュートさせましょう。

理由は、マイクが意外と「環境音」を拾ってしまうためです。

環境音とは、生活音や外の車の音や工事中の騒音などのことです。

社内だったり、同居家族がいたりする場合は、ほぼ人が動いて何かしている音はマイクに乗ってしまうものと考えましょう。

コワーキングスペースなどでも同様です。

どれだけ本人が気をつけていても、環境音は外的要因であることもあり防ぎようがない場合が多くなります。

Zoomには「スポットライト」という機能があり、こちらが環境音と非常に相性が悪いのです。

Zoomのスポットライト機能とは?

・Zoomの会議中、音声が検知された参加者の画面をメイン画面として表示する機能。

・メインの発話者がいても、他の参加者がマイクONの状態で咳などをしただけで画面がそちらに切り替わってしまうことが多々ある。

・初対面の参加者同士だと気まずさを喚起してしまいがちになる。

マイク自体にミュート機能がついていればそちらを利用しても良いですが、Zoomのミュート機能とマイク自身の機能、さらにはPC付属の機能などあらゆる部分に似た機能があるため、「これを使う」と決めておかないと必ず混乱し、商談中の失態となり得ます。

商談中の失態は、ノイズとなり必ずいくらかの悪印象を相手に与えてしまいます。

そこで本記事では「人が話している時(自分が話していない時)は、Zoomの機能でマイクをミュートさせる」ことを推奨します。

さらに、Zoom商談を行う部屋への第三者の出入りを禁止するような処理を事前に施しておきましょう。

ビデオ通話画面への「映り込み」を避けるためです。

商談は、顧客が自社の弱みなども赤裸々に話す場となります。

それにも関わらず、誰かに大切な情報を聞かれてしまう可能性がある相手と話しているのだと判断されてしまえば、顧客は心を閉じてしまいます。

【マナー8】リアクションはいつもより大きめにする

Zoomに限ったことではなく、オンライン商談・ビデオ会議などアプリを介した状態では、相手のリアクションは対面よりも受け取りづらくなります。

例えば、顧客の話に頷いていたとしても、相手から「無反応」と思われてしまうこともしばしばあります。

せっかく顧客が話してくれているのに、無反応だと思われてしまっては信用のガタ落ちが起きてしまいます。

このため、Zoom商談においてはオーバーリアクション気味に反応することが必要です。

オーバーリアクションとは、例えばかなり大きめに頷いたりすることです。オンライン状態では、ふざけていると思われるかも知れないというほどのリアクションであっても普通に受け入れられるぐらいギャップが生じます。

できるだけ表情を変えることも意識しましょう。

【マナー9】自分だけではなく顧客も発言できるように進めていく

商談はそもそもセールスパーソン側が一方的に話していては機能しないものです。

顧客の積極的な発言を促し、要所要所でヒアリングできなければ、顧客の課題発見・解決につながらないためです。

相手の発言を促すためには「自分の発話が終了した合図」を送ると効果的です。

以下のような聞き方を意識してみてください。

  • 「以上ですが、◯◯様はいかがでしょうか?」
  • 「~と~では、どちらがお好みでしょうか?」
  • 「ここまでで、何かご質問はおありでしょうか?」

会議や打ち合わせなどで、参加者に発言を促し、最終的な合意へ運ぶための行動を「ファシリテーション」といいます。

商談でも、ファシリテーションを意識した行動を心がけましょう。

zoom商談後のマナー

Zoom商談が無事に終わっても最後まで気を抜かないようにしましょう。

最後まで誠意ある態度を顧客に見せることで、セールスパーソンに対する信頼度に大きく影響を与えることになります。

アフターフォローの効果を高めることにも繋がりますので、ぜひ心がけてみてください。

【マナー10】顧客が退室したことを確認してからミーティングを切る

Zoom商談では、相手が退室してから通話を切ることがマナーです。

ミーティングルームはセールスパーソン側がホスト、つまり立ち上げることになるため、商談の終わりでは顧客がミーティングルームから立ち去るのを見送ることになります。

成約前後で担当者が変わることも大いに有り得るため、悪印象を持たれないように入退室については社内でマナーを統一しておきましょう。

マナーを見直してスムーズにzoom商談を進めよう!

Zoom商談はオンライン状態でのビジネスの場であるため、対面のやり取りとは共通する部分も全く異なる部分も存在します。

事前にきちんと準備をしておけば、本番で慌てること無く相手の好印象を得られます。

ぜひ本記事の情報に基づき、Zoom商談を成功に導いてください。