営業ができる人の共通点とは?「できない営業マン」と比較しながら徹底解説

営業マンの中には、「できる営業マン」と「できない営業マン」がいますが、「できる営業マン」に共通する行動パターンや思考パターン、考え方とは何なのでしょうか?

ここでは、「できる営業マン」の共通点について、「できない営業マン」と比較しながら徹底的に解説します。

できる営業マンの7つの共通点

「できる営業マン」には、次に挙げる7つの共通点があると考えられます。

以下では、「できる営業マン」の7つの共通点について、「できない営業マン」の場合と比較しながら順に説明していきます。

【1】お客様への連絡やレスがマメで早い

「できる営業マン」の1つ目の共通点は、「お客様への連絡やレスがマメで早い」ことです。

例えば、お客様から「〇〇について教えてほしい」という連絡を受けた場合について考えてみましょう。

このような場合、「できない営業マン」は「お客様からの質問には丁寧に答えなければならない」と考えて、関連資料などを調べて懇切丁寧に回答の準備をして、例えば半日後に回答します。

調べものや資料作成に時間をかけて丁寧に回答しようとしているのですが、質問したお客様の方は「連絡をちゃんと見てくれたのだろうか」「いつ回答が来るのだろうか」と、回答が来るまで不安な気持ちを感じながら常に気にしていなければなりません。

これに対して、「できる営業マン」は、もし外出時に連絡を受けた場合は「今出先ですので、帰社後調べて□時までには回答します」というレスをすぐに返します。

すると、お客様には「質問をちゃんと受けて調べてくれる」ことがわかりますし、「□時まで待てば回答が来る」ということも分かりますので、非常に安心した気持ちになり回答が来るまでの間は別のことをしながら過ごすことができます。

この比較からもわかるように、すぐに何らかのレスを返さないとお客様は安心することができず、その後もずっと気にかけていなければならなくなります。

お客様へのレスポンスを迅速に行うことは基本中の基本であって、お客様に不安な気持ちを与えるようであってはいけません。

また、多くのお客様はいろいろな会社にアプローチしていることが考えられます。

もし、丁寧に回答の準備をしている最中に他社が適切な回答をしてしまうと、お客様の関心は他社に移ってしまい、受注の機会を逃してしまうことにもなりかねません。

「お客様への連絡はマメに行う」「質問が来たら素早く要点を的確に回答をする」「すぐに回答できない場合は何時までに回答できるかを素早く返事する」、このような「マメさ」「速さ」を意識して行動している営業マンが「できる営業マン」なのです。

【2】事前準備(お客様の業界や会社のリサーチ)を入念に行なっている

「できる営業マン」の2つ目の共通点は、「事前準備を入念に行なっている」こと、つまり「お客様の会社や業界のリサーチをしっかりと行っている」ということです。

「できない営業マン」であっても、相手の会社の事業内容や概要程度は調べて商談に臨むと思われますが、お客様は会社のニーズや困りごとに対してどのようなソリューションを提供してくれるのかを期待しています。

商談の場において、いかに自社の商品やサービスの良さばかりを説明したとしても、それがどのように役に立ち、どうやって困りごとを解決してくれるのかが分からなければ購入してもらえないでしょう。

「できる営業マン」は、商談の前にはお客様の会社や業界のリサーチは当然として、お客さまのニーズやお客様が描く理想の姿を想定して、それに応える最適なソリューションを提案できるように準備しており、その場で質問されそうな内容も想定して最適な回答を準備しています。

また、商談の場で業界特有の専門用語を使ったりすると、お客様から「この営業マンは業界のことをよく分かっている」と評価されたり安心感を持たれたりする可能性もあります。

さらに、商談におけるゴールをきちんと設定しているのも「できる営業マン」の特徴です。

例えば、初回の商談であれば「契約を結ぶ」ことがゴールではなく、「お客様と少しでも仲良くなること」だったり「競合との取引状況を聞きだすこと」や「社内の検討状況を聞き出すこと」だったりします。

このように、「できる営業マン」は商談の前の事前準備をしっかりと行い、適切なゴールを設定して万全の状態で臨めるようにしているのです。

【3】商品やサービスを売り込まず、お客様の話をとにかく聞き、相手目線の提案ができる

「できる営業マン」の3つ目の共通点は、「商品やサービスを売り込まない」ことで、「お客様の話をよく聞いて」それに答える形で「相手目線の提案ができる」ことです。

「できない営業マン」は、成約に結びつけることを焦るためか商品やサービスを売り込むという意識が先に立って一方的に商品の良さを話したり、お客様からの反論や断りを封じようとしてお客様に話をさせないようにしてしまうことが多く見られます。

お客様は初めて会う営業マンに「押し売り」をされることを最も嫌うと言われていますから、このように自社商品やサービスのメリットばかりを話してしまう営業マンに対しては拒否感を抱いてしまいます。

しかし、「できる営業マン」はお客様が主役であること、営業マンの役割は主役であるお客様の要望に答えることだということを理解していますので、聞き役に徹して一方的に話すようなことはしません。

また、「できる営業マン」は「お客様は自分の話を聞いてくれる人には気を許す傾向がある」ことも知っています。

このような、聞くことに徹した商談やお客様からの質問を中心とした商談によって、お客様から信頼を得ることができ、お客様と営業マンとの距離が縮まります。

さらに、「できる営業マン」はお客様に対して適切な質問を投げかけて、お客様の困っていることやニーズを聞き出しますので、お客様のニーズに応える形での効果的な営業トークや商品提案を行うことができるようになるのです。

【4】営業トークや営業手法などの改善やブラッシュアップを常に行なっている

「できる営業マン」の4つ目の共通点は、「営業トークや営業手法などの改善やブラッシュアップを常に行なっている」ことです。

「できない営業マン」は、自分が昔から続けてきた営業トークや営業手法などを変えることをしません。

成約できたケースについてもできなかったケースについても、何が良かったのか、何が悪かったのかという分析をする癖がついていませんので、自身の営業トークや営業手法などを改善していこうという意識が働かないのです。

これに対して、「できる営業マン」は1つの商談や面談が終わるたびに、良かった点は何か、悪かった点はなかったのかなど、自分自身の営業トークや営業手法を振り返って分析して、改善すべき点を見出して次の機会に変えるべきところをメモに書き出したりしています。

このように、「できる営業マン」は常に上昇志向を持っており、自分自身の営業トークや営業手法の改善やブラッシュアップを行っています。

【5】セルフイメージが高い。もしくは高く見えるように工夫している

「できる営業マン」の5つ目の共通点は、「セルフイメージが高い、もしくは高く見えるように工夫している」ことです。

セルフイメージとは、「自分について抱いているイメージ」のことを言い、言い換えると「自分自身の価値をどう思っているのか」ということになります。

「できる営業マン」が持っているセルフイメージはほぼ共通しており、「売れるのが当たり前」「私はお客様に選ばれて必要とされる営業マンだ」という感覚や思考を持っています。

このセルフイメージは、過去の成功体験などの要因を通じて形成されるもので、「できる営業マン」には「私はできる、できて当たり前」という高い自己評価が出来上がっています。

セルフイメージは、無意識レベルでその人の考え方や言動に影響を与えていると言われており、セルフイメージの高い営業マンは、「自分はトップ営業マンであり高い成果が出せる」と思っているため、最終的にはいつもどおりの高い営業成績を上げることができます。

逆に、セルフイメージの低い営業マンは、一時的に営業成績が上がったとしても、「高い成果は自分にふさわしいとは思えない」ため、数カ月後には元通りに戻ってしまうのです。

このように、高いセルフイメージを持てばより高いパフォーマンスと成果につながりますし、低いセルフイメージはパフォーマンスや成果を落としてしまうことになります。

このセルフイメージを高めるためには、小さな成功を積み重ねることが有効だと言われています。

営業マンの場合は、アポ取りの成果数が上がる、成約件数が上がる、販売目標を達成するなどの成功体験によってセルフイメージを高めることができます。

【6】読書やセミナー、異業種交流会参加などインプットの習慣を持っている

「できる営業マン」の6つ目の共通点は、「インプットの習慣を持っている」ことです。

ここでいうインプットとは、新しい知識や情報を取り入れるということです。

「できる営業マン」は、広くアンテナを張り巡らせてさまざまな媒体から知識や情報を取り入れる習慣を持っています。

書籍やテレビ、ネットニュース、新聞、雑誌、ラジオの他、セミナーや異業種交流会などにも積極的に参加して幅広く情報を取り入れることによって、営業活動のヒントにしたり話のきっかけ作りに活用しています。

特に「できる営業マン」には読書の習慣があると言われていますが、これは本を読むことにより知識が増加し、自分自身の価値も上がるということをきちんと理解しているからです。

本を読むことは語彙力の向上や知識の獲得につながり、得た知識は必ず営業活動に活かされています。

例えば、心理学に関する書籍を読んで知った知識を営業トークに組み込んでみたり、マーケティングの本から得た集客方法を実践したりすることによって、営業成績の向上に役立てています。

また、テレビや雑誌などからは営業で使える雑談ネタを手に入れることができます。

商談の際は、いきなり本題に入ってしまうのではなく、アイスブレイクというちょっとした息抜きの雑談をして場を和らげることがありますが、そのようなときに役に立つのが雑談ネタです。

雑談ネタと言っても使い古されたものではなく、旬の話題が提供できることに越したことはありません。

営業手法というものは日進月歩で変わっていくものですから、そのため常にインプットをし続けて、自分の営業のやり方を時代に合わせてブラッシュアップしていく必要があります。

そのためにも読書の習慣を持ち、セミナーや異業種交流会などに参加して、他の人から新しい情報をインプットし続ける方が良いのです。

【7】人の真似が上手い

「できる営業マン」の7つ目の共通点は、「人の真似が上手い」ということです。

優れた営業能力やセンスを手に入れるための簡単で最短の方法は、自分のまわりにいる優秀な営業マンから学ぶこと、つまり真似をすることです。

「できる営業マン」と言われる人も最初から優秀だったわけではなく、おそらく会社の中にいる優秀な先輩営業マンの営業手法や営業トークを真似することから始めたはずです。

営業マンの多くは負けず嫌いの人が多く、またプライドの高い人が多いため、なかなか人の真似をしないものですが、「できる営業マン」と言われる人は愚直に優秀な先輩営業マンの真似をして、いつの間にかそれを自分のものにして今現在があるのだと思います。

成功している優秀な営業マンの営業手法や営業トークには学ぶべきことが多いはずですから、まずは素直に真似ることに徹してみるべきです。

そのうちに、アポ取りの成功率が上がったり成約率が上がるなどの成功体験を積み重ねるうちに、自分なりのやり方ができてくるはずです。

また、人まねではない対話術が身についてきて、自分の営業活動にも自信を持つことができるようになってきます

「できない営業マン」が「できる営業マン」に一番早く近づくコツは「できる営業マン」のやり方を真似すること!

この記事では、「できる営業マン」に見られる7つの共通点について解説してきました。

ここで紹介した7つの共通点以外にも、「できる営業マン」は「人間力」や「人柄」などの属人的な特徴を持っているはずで、これらも含めた総合力で営業成績を上げているものと考えられます。

しかし、「できない営業マン」が「できる営業マン」に一番早く近づくコツは、ここで紹介した「できる営業マン」に共通している7つのポイントを真似して実践してみることです。

これらの7つの共通点には属人性がありませんので、「できる営業マン」になるための「再現性のあるノウハウ」だということができるでしょう。

「できる営業マン」も最初からそうだったわけではありませんので、「できない営業マン」も、このような日々の努力を積み重ねることによって、最終的に売上や利益に貢献できる「できる営業マン」に成長していくことができるはずです。